2024/08/23 12:00
シカゴの世界的レストラン チャーリー トロッターが2013年に閉店した際に、クリスティーズのオークションに出品されたボトルです。
<2024/08/01抜栓>
Domaine Bernard Dugat-Py 1998 Mazy-Chambertin

抜栓の途中でコルクが折れてしまい、久しぶりに焦りました。
古いワインだとよくある事ですが、折れてしまった後、焦って抜くと大変なことになります。
こういう時は、とにかくゆっくり抜く事が肝要。
残ったコルクにソムリエナイフをゆっくりと回転させて挿し、ボトルの壁に押し付けるようにゆっくり引き上げると、途中に残ったコルクも綺麗に抜ける事が多いです。
多少のコルクくずがワインの中に入ってしまいましたが、最終的には綺麗にコルクを抜くことができました。
こういう場合はコルクも劣化しているので、中のワインの状態も万全でないことが多いですが、このワインの状態は完璧でした。
グラスに注いでいる途中から、素晴らしい香りがあたりに広がったのには、逆の意味で期待を裏切られて驚きました。
なまめかしい香水のようなブルーベリーに似た果実の香り、いかにもシャンベルタンな鉄のニュアンス、涼しげなハーブやスパイス、ミネラルの香り。
色合いは深いルビー色でエッジも鮮やかです。
先日飲んだ同ヴィンテージのシャルム シャンベルタンは、ややピークを過ぎ枯れた印象がありましたが、こちらはまさにピーク。
重心も重くなくエレガントで凝縮感のある球体なワインで、これまで飲んできたデュガ ピィの中では間違いなく最高でした。
マジ シャンベルタンのアペラシオンの特徴でしょうか、張り詰めたミネラルがほどけた感じがたまらないです。
このアペラシオンは、若くして開けたときにはミネラルで隠されて平坦さを感じる味わいも、時間の経過でミネラルがほどけると隠されていた果実味が表に現れ、妖艶なワインに化けることがあります。
DRCに畑をメタヤージュ契約したボノーデュ・マルトレイのコルトン・シャルルマーニュやミュジニーにも通じるものがあります。
堅いミネラルがほどけた時の感動はひとしおです。
早くして楽しめるシャルムとは本当に好対照なアペラシオンだと思いました。
★当店オーナー評価:4.6/5.0★
クリスティーズオークションで落札したチャーリー トロッターのワインで、テイスティングしたものはすべてコンディションが良好でした。
チャーリー トロッターの落札ワインは、ワインショップでは出品していませんが、ドメーヌ・ルロワ含め、まだ何本か所有しています。
もしご興味がございましたら、お問い合わせページよりご連絡ください。
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