2024/08/05 12:00

ブルゴーニュの新星として、一部のブルゴーニュファンの間で人気となっているギルベール ジレ。

以前から伺いたいと思っていました、パリの老舗ワインショップ「Legrand(ルグラン)」の東京支店「ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京」のワインリストに、ギルベール・ジレが載っているのを発見し、その実力を確かめるべくお邪魔してきました。




まずは、あまりお目にかかれないブノワ アント 2020 ブルゴーニュブランのグラスを頂きました。

飲むたびに毎回思うのですが、ブノワ アントの凝縮感はクラスを超えています。
色合いも濃いのですが、透明感と長い余韻が特徴ですね。


それでは、本題のギルベール ジレ。
本人が最も気に入っているキュベがミランドという事らしいので、こちらのキュベをチョイスしました。
<2024/7/29抜栓>Domaine Guilbert Gillet 2021 Morey Saint Denis Premier Cru les Millandes
最初のひと口。
「あれ?どこかで飲んだような味わい?」
還元臭もあり香りは閉じています。
入店2時間前に抜栓をお願いしていましたが、開き切る感じがしなかったので半分をデキャンティングしていただきました。

ソムリエさんに伺ったところ、ギルベール ジレは100%除梗との事。
どうりでどこかで飲んだ印象があるはずです。
同じ100%除梗のエマニュエル ルジェに似ています。

色合いは透明感のあるルビー色、味わいはピュアな赤果実。
モレサンドニの一級畑ミランドは、クロ ド ラ ロッシュの斜面下部に位置するだけに力強いイメージがありましたが、あくまでエレガントです。

飲み始めて1時間ほどして全開に。
還元臭も薄れてきて、ハーブような涼しげな香りやスパイスのような香りも立ち始めました。
100%除梗にも関わらず全房発酵のような香りがするのは、葡萄の収穫を完熟するまで待たずフレッシュさが残っている状態で収穫しているのかもと想像してしまいます。
ブラインドだとパカレと間違えてしまいそうな香りと味わい。
きめ細かいタンニンも少しほどけてきて、味わいにまろやかさと複雑さが出てきました。
テロワールの力強さも感じられます。
ヴィエーユ ヴィーニュだけに凝縮感がもう少し欲しいところですが、そこはクラシックなヴィンテージと買い葡萄の影響かも知れません。
本当にエレガントかつクラシカルなブルゴーニュワインでした。
ギルベール ジレがリシュブールとか作ったら凄いワインになるんだろうなと、アンリ ジャイエを思い出したのは私だけでしょうか。
若くしてこの実力。素直に凄い、かつ、将来が楽しみです。

★当店オーナー評価:4.3/5.0★


ルグラン東京にあるワインは、フランスから直輸入のワインばかりなのかと思っていましたが、今回いただいたワインはフィネスのボトルでした。
ルグラン東京は、国内の様々なインポーターとのお付き合いもあるとの事です。
パリ本店を模したお洒落な店内で提供されたお料理も美味しかったです。
ギルベール ジレの購入は不可でしたが、まだ他のキュベもあり店頭で飲めるとの事ですので、興味がある方は是非じっくり時間をかけて飲んでみてください。

当店にもルグラン パリ本店より仕入れ、空輸したワインの在庫がございます。
状態も良くご満足いただけるかと思います。